第812回:Cintiq 16

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第812回:Cintiq 16

 突然の新製品情報にいてもたってもいられず、Cintiq 16(とペーパーライクフイルム)をゲットしました。

 少し使ってみて、レポートをまとめてみました。

 総括はつぎのとおりです。

 ・画面の割に外寸が小さくて、とても設置しやすい

 ・違和感のない使い心地で、快適に使える

 ・グレー部分が黄色っぽい(調整で解決)

 ・上記の発色の問題以外は優秀。値段とのバランスがいいからお勧め

 ・ペーパーライクフィルムの芯の減りは異常

 これまで使っていたのは「Cintiq Companion Hybrid」。13インチのモデルです。

 今度は16インチ弱にアップ。これがどう効いてくるか。

 今回取り揃えた品はこんな感じです。

購入した品

 本体、ペーパーライクフィルム(ミヤビックス製)、フェルト芯(Pro Pen 2用)。本体の箱が想像より大きくてビビりました。

箱の中身1

 箱の中身は上の写真のようになっていました。上に入っているのは「3 in 1ケーブル」の電源プラグ部分のケーブルです。

箱の中身2

 本体を出すと、「3 in 1ケーブル」の残りの部分、マニュアル、Pro Pen 2が入っていました。

本体サイズ比較

 箱はすごく大きく感じましたが、いざ本体を並べてみるとこんな感じ。ショートカットボタンがないこともあって、画面の割に外寸の差を感じません。

 場所を取らないことが、設置にすごくメリットを発揮してくれました。

 フィルムを貼ってから(大きさゆえに、そこそこ苦労しました)、接続して比較。

 ちなみに両機種は本体のコネクタの形が同じなのですが、電源が別物で、コードの使い回しはききませんでした。残念。

Cintiq Companion Hybridの発色

 こちらはCintiq Companion Hybrid。発色確認用の別モニタ(NEC P242W)とクローンで併用しています。

Cintiq 16の発色

 カメラの設定を固定しておいて、Cintiq 16を比較撮影。気持ちいい発色だと感じましたが、前の写真と比べてみると黄色いですね。

グレーが黄色がかる状況

 グレーが黄色く出ます。上の写真で、薄く表示させている鉛筆ラフの部分を、メインモニタ・Cintiq16で比べていただけるとお分かりになるかと思います。

 ワコムの「デスクトップセンター」で「ディスプレイ設定」を選んで、「カラー設定」を「カスタムカラー」にして以下の設定にすると落ち着きました

ディスプレイ設定

 描き心地ですが、標準状態のガラス面はマットな加工がしてあって、従来のツルツルのガラスより少し抵抗感があります。私はフィルムを貼る前に少しだけ隅で試しましたが、この感触を気に入る方は多いのではないかと。

 フィルムを貼った後は、思っていた以上に表面がザラザラで、しかもその目が粗いです。これがペーパーライクフィルムなのかと驚きました。そのぶん映り込みは抑えられていて、作業のストレスは少ないです。

 描き心地もすごくよくて、慣れるにつれて快適度が増していきました。

ノーマル芯とフェルト芯の比較

 フィルムを貼った状態ですが、ノーマル芯とフェルト芯の比較。

 なお、標準状態でフェルト芯を使うことは非推奨とされています(画面を傷めるそうです)。

 フェルト芯のほうが滑らないぶん、少しだけ線が定まるように感じました。

 ですが。

芯の状態比較

 ペーパーライクフィルムを試そうとしている方、要注意です。

 芯がノーマル状態の100倍減ります

 上の写真は左から、以下のとおりです。

 ・半日使ったノーマル芯

 ・半日使ったフェルト芯

 ・使用前のフェルト芯

 ・Cintiq Companion Hybridで使ってきたフェルト芯(1年ほど使用)

 正直、100倍は控えめな表現です。私は今まで、フェルト芯1本で同人誌を3冊出したことがあります。それが2ページの線画で芯がだめになって、検知漏れの多発に至りました。

 このペースだと、薄めの同人誌1冊で芯代が3,000円ぐらいになります。快適だけど、こんなに芯が減るようではこの先がつらすぎて、やむなく別のフィルムを取り寄せ中です。

 (余談ですが、これほど芯を削るだけあって、フィルムに傷は見当たりません。それにしてもPro Pen 2の芯の軸、細いですね)

ペン取り付け状態

 本体の右についている黒いものは、ペンホルダー。合成繊維の布製で、気軽にペンを差せます(上の画像は、ペンを差した状態です)。

 引っ張ると外せる(そして本体の左右どちらにも差せる)ようになっていて、そのパーツにノーマル芯が3本入っています。そのパーツの穴にペンの芯を差し込んで、ペンを斜めに傾けて引っ張ると芯が抜けるようになっています。

ペンホルダー・芯ホルダー・芯抜き

 描き心地に関する他の感想は、このような感じです。

 ・視差・反応速度とも申し分なし

 ・画面サイズがとても心地よくて、ストレスが少ない

 ・本体内蔵のスタンドで不便は感じない

 ・Pro Pen 2の8,192階調の威力は実感できず

 ・タッチ機能がないのはやや不便だが、他のデバイスで代替可能

 タッチ機能・ショートカットボタンの代替としては、次のものを使うことにしました。

 ・拡縮...マウスのホイール

 ・回転...PowerMate

 ・手のひらツール...ペンボタンにショートカットを割り当て

 ・ショートカットボタン...ExpressKey Remote

 このサイズ・この使用感でこの価格は、やはり強いと思います。上記の発色のことを割り切れれば買いだと思います。

 ご検討の参考になりましたら幸いです。

2019年1月14日 20:30 カテゴリー:雑記

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