2) 種族・クラス解説

 各プレィヤーは、自分のキャラクターの種族を、以下の5つのうちから選択できます。

 また、プレイヤーが持つキャラクター(プレイヤー・キャラクター:略称PC)は、以下の18種のクラスのうち、どれか一つに就かなければなりません。

 さらに、キャラクターの根本的な性質を示すものとして、属性というものがあります。

 いずれもキャラクターの能力に影響を与えますので、キャラクターを作る場合は一度目を通しておかれることをお勧めします。

種族

 我々マスターやプレイヤーの種族は人間ですが、キャラクターが人間である必要はありません。

 ここでは、プレイヤーが自分のキャラクターとして選択できる5種族について解説します。

人間 (Human)

 我々と同じ人間です。外見上の特徴を述べる必要はないでしょう。 このゲームの世界では、5種族のうちで最も古いものとされています。

 知恵では他のどの種族をもしのぎ、今までにも多くの文化的業績をあげてきました。その他生命力の高さも群を抜いています。

 ですが、幸運度・信仰心は5種族中最低です。

 パラディンセイントビショップモンクを目指すには不利ですが、その他の上級クラス(後述)に就くのには適しています。

エルフ (Elf)

 自然を愛する妖精族の一種です。

 おしなべて容姿が端麗なことで知られていて、魅力の高さは5種族中でも一番です。

 色白の肌に金色の髪、緑の眼や先の尖った耳、そしてほっそりとした体形が外見上の主立った特徴です。身長は人間と同じくらいか、やや低めです。

 精神力が高いので術者系クラスに向いていますが、筋力・生命力がいずれも極端に低いので、戦士系クラスには不向きです。

ドワーフ (Dwarf)

 エルフと同じく妖精族の一種です。ただ、エルフが森を好むのに対して、ドワーフは岩山等を好みます。鉱物、なかでもとくに貴金属に精通していて、貴金属工芸品の名匠として知られています。

 外見は、優美なエルフとは対照的に武骨です。髭の生えた顔(ただしこのゲームでは、女性のドワーフには髭はありません)や、筋肉質の小さな体が特徴です。

 筋力・信仰心が高く、たいていのクラスに対してそれなりに適性がありますが、敏捷度が低いのが泣きどころです。

ミナンスロープ (Minanthrope)

 やはり妖精族の一種です。名称は小人という意味の造語で、その身長は人間の半分より少し高い程度です。

 敏捷度や幸運度はずば抜けているのですが、他の特性値が低いので、どのクラスに就いても高い能力は見込めません。ですが体が小さいので、敵の攻撃が命中しにくいという大きな利点があります。(ドワーフにも、若干ですがこのボーナスが存在します)

ハーフエルフ (Halfelf)

 人間とエルフとの混血児で、どちらの血も4分の1以上引いている者をこう呼びます。(どちらかの血がそれより薄くなれば、血が濃い方の種族として扱われます)

 外見上の特徴にはこれといったものはなく、人間かエルフかのどちらかに近いものになっています。

 特性値の面でも、どの値も人間・エルフの中間の値をとっていて、バランスがとれています。よって、どのクラスに就くのにもそれなりに適した、優秀な資質を備えた種族と言えます。

クラス

 クラスとは、ここでは、キャラクターの戦闘能力を分類するための単位を指します。

 このゲームの社会は中世のヨーロッパのものに近く、様々な同業者組合、すなわちギルドが存在します。

 そのうち、PCに適した(つまり、戦闘に関係のある)ギルドは18あって、このギルドが分類の単位となっています。

 クラスの名前はギルドの名前と同じです。(例:ファイターギルドに属する者のクラスはファイター)

 PCは、18のクラスのうち、どれか1つだけに就いていなければなりません。

 また、18のクラスは初級戦士系初級術者系上級戦士系上級術者系の4つに大別されます。

 初級クラスとはゲームを始めるときから就いていられる成長の速いクラスのことで、上級クラスとは最初からは就けず、さらに就くために一定の高い能力を必要としますが、武器と呪文とを使いこなせるなど、初級クラスよりも二次的な価値が高いクラスのことです。

 また、戦士系クラスとは武器を使った戦闘を主体とするクラスのことで、術者系クラスとは魔術を使った戦闘を主体とするクラスのことです。

 そうした18のクラスの解説を、以下に記します。

初級戦士系クラス

ファイター (Fighter)

 そのものずばり『戦士』とも呼ばれます。

 多くの武器を使いこなしますが、なかでも特に斧を扱うのが得意です。防具は全てのものを使いこなせます。

 生命力が高く、HPの大きな伸びが期待できます。

 戦闘の際、相手を気絶させ得る昏倒打を繰り出せます。

バトラー (Battler)

 『闘士』とも呼ばれます。

 怪力の主が多いのですが、武器や防具はあまり着けられません。

 ですが、バトラーは18のクラスのうちで唯一、防具を着けなくてもある程度防御力があるクラスなので、防御力の面では心配いりません。

 また攻撃力も、エクスパートと並んで筋力の伸びがトップなので低くはありません。

 つまり、道具の力を借りずに己の肉体で勝負するクラスなのです。

フェンサー (Fencer)

 『剣士』とも呼ばれます。

 剣を使った戦いが得意です。武器・防具ともかなり多くのものを使えます。なかでもとくに、初級クラスで唯一の剣を全て使いこなせるクラスだという点が特徴です。

 ですが最大の特徴は、快打の発生確率が他のクラスの者の3倍となっている点にあります。

 なお、特性値の面では、筋力・生命力のほかに、敏捷度が若干上がりやすくなっています。

ランサー (Lancer)

 『槍術士』とも呼ばれます。

 その名前からも容易に想像できるように、槍を扱うのが得意です。また槍のみならず、長い柄を持った竿状武器の全てを使えます。

 筋力はあまり高くありませんが、竿状武器は攻撃力が高いので、結果的に高い攻撃力を得られます。

 移動力が高いという点が最大の特徴となっています。

 特性値の伸び具合は、基本時にフェンサーと同じです。

アーチャー (Archer)

 『弓術士』とも呼ばれます。

 弓など飛道具の全てを使いこなせます。

 そのことから接近戦には向かないイメージがありますが、接近戦でもフェンサーやランサーとほぼ互角に戦えます。

 戦闘前に飛道具を使った不意討ちができるという点が、最大の特徴です。

 特性値の伸び具合は、フェンサーやランサーと同じです。

初級術者系クラス

ウォーロック (Warlock)

 『魔術師』とも呼ばれます。

 このゲームの世界には精霊魔術・神聖魔術・精神魔術・そして暗黒魔術の4種類の魔術があって、そのうち精霊魔術を使うクラスの代表格がウォーロックです。

 総じて知恵が高く博識で、敵判別の成功率にボーナスがつき、戦闘の際に敵の正体を見抜きやすいという特徴があります。

クレリック (Cleric)

 『僧侶』とも呼ばれます。

 神聖魔術を使うクラスの代表格です。神聖魔術には強力な治療の呪文が含まれているので、パーティーの命綱として重要な役割を果たすことになるでしょう。

 特性値では、信仰心が高くなります。

 神の加護が強いためか、魔法への耐性に優れるという特徴もあります。(抵抗力(魔法)にボーナスがつきます)

 なお、余談になりますが、神聖魔術を使うクラスのギルドは、共同で寺院や神殿を設立・運営しています。

ソーサラー (Sorcerer)

 『方術師』とも呼ばれます。

 精神魔術を使うクラスの代表格です。

 精神魔術とはいわゆる超能力で、他の魔術と違って他者の助けを借りずに術をかけるので、使う魔力がやや多く必要です。が、このソーサラーなどの精神魔術師は、並外れた精神力の高さでそれを埋め合わせています。

 毒や恐怖などへの抵抗力が強いという特徴を持っています。(抵抗力(毒等)にボーナスがつきます)

上級戦士系クラス

エクスパート (Expert)

 もともとエクスパートとは達人という意味なのですが、ここでは狭義で戦いの達人、すなわち『兵術家』として用います。

 ファイターと同じくほとんどの武器・防具を使いこなす、究極の戦士です。

 筋力や敏捷度が高く、強力な攻撃を敵に先んじて行えます。

 ですが最大の特徴は、敵を無条件で死亡させる致命打を繰り出せる点にあります。

ウォーリアー (Warrior)

 『武士』とも呼ばれます。

 このゲームの世界では、ウォーリアーは広義では戦う者全てを指す言葉として使われます。一方、狭義でのこのウォーリアーは、精霊魔術を使う戦士のことを指します。

 習得の速度は遅いながらも、全ての精霊魔術を使えるようになれ、なおかつ全ての武器・防具を使いこなせます。

 特性値は、筋力・知恵・生命力が高くなります。

 怒りの感情を力に変えて繰り出す、「渾身の一撃」と呼ばれる強力無比な特殊能力をもっています。

パラディン (Paladin)

 カール大帝の12勇将の一人の名を語源とする『聖騎士』です。

 ウォーリアーと同じく習得速度は遅いのですが、神聖魔術を使えます。戦闘時以外での仲間の治療に、大いに役立つでしょう。

 特性値は、筋力・信仰心・生命力が高くなります。

 攻撃回数が他のクラスの者より1回多いのが、最大の特徴です。

 ウォーリアーと同じく、全ての武器・防具を使いこなせます。

ナイト (Knight)

 『騎士』とも呼ばれます。

 精神魔術を使う戦士を指します。

 肉弾戦の能力はウォーリアーやパラディンと同水準で、やはり全ての武器・防具を使えます。

 そしてさらに、ナイトにしか習得できない「流儀」を使えます。

 特性値は、筋力・精神力・生命力がよく伸びます。

上級術者系クラス

セイント (Saint)

 『聖者』とも呼ばれます。

 精霊魔術・神聖魔術を、遅いながらも並行して習得していくという、セイジやビショップと並ぶ究極の術者系クラスです。

 ただし、武器や防具はほとんど着けられません。

 呪いを解くことができるという強力な特殊能力を持っています。(解呪の成功率が存在します)

 特性値は、知恵・信仰心・精神力・敏捷度がよく伸びます。

セイジ (Sage)

 『賢者』とも呼ばれるクラスです。

 精霊魔術・精神魔術を並行して習得します。ただし、その速度はセイントやビショップと同様、あまり高いものではありません。

 また、セイントとと同じく、武器や防具はほとんど着けられません。

 卓抜した知恵を有していて、豊富な知識を活かして、未知の品物を鑑定できます。(鑑定の成功率が存在します)

 なお、知恵のほかにも精神力・敏捷度が高くなります。

ビショップ (Bishop)

 『司教』とも呼ばれます。クレリックと関係が密なクラスで、寺院・神殿を構成するクラスの一つです。

 低い速度ながらも、神聖魔術・精神魔術を同時に習得します。

 ただし、やはりセイントやセイジと同様、武器や防具はほとんど着けられません。

 亡者を消し去る特殊能力を持っています。(ディスペルに成功率があります)

 ちなみに神聖魔術にも亡者を消し去る呪文はありますが、ビショップの特殊能力はその呪文の能力をはるかに超えています。

 特性値は、信仰心などが伸びます。

ドルイド (Druid)

 古代ケルト民族のドルイド教から名前をとったクラスです。『呪術師』とも呼ばれます。

 RPGでドルイドというと、普通はドルイド教の団員のうちの僧侶をモデルとしていますが、このゲームでは団員のうちの魔術師と呼ばれた者をモデルとしています。

 そのため、このゲームでのドルイドは、武術にも長けた精霊魔術師を指します。

 高い速度で精霊魔術を習得し、バトラー並みに武器や防具を着けられます。

 優れた偵察能力をもっています。(偵察の成功率にボーナスがつきます)

モンク (Monk)

 『修道僧』と呼ばれることもあります。

 いわば、武術に長じた僧侶です。

 装備できる武器や防具の種類は、ドルイドやハーミットと同じです。

 神聖魔術を高い速度で習得します。

 また、罠や鍵の解除に長じています。(罠解除の成功率にボーナスがつきます)

 このゲームの世界では、モンクは寺院・神殿に所属していて、時としてこの能力を使い、危険な場所に閉じ込められている人々を救出するレスキュー隊としても活躍します。

 特性値は、知恵と幸運度とを除いたものが、やや伸びます。

ハーミット (Hermit)

 『道士』とも呼ばれます。基本的な性格はドルイドやモンクと同じなのですが、ハーミットは精神魔術を習得します。

 装備できる武器や防具、そして呪文習得の速度は、ドルイドやモンクと同じです。

 特殊能力として、優れた罠判別能力をもっています。(罠判別の成功率にボーナスがつきます)

 特性値は、精神力を筆頭に、筋力や生命力がやや伸びます。

 各クラスの武器・防具・魔術への適性や、特性値の伸び具合をまとめると、下の表のようになります。

 ただし表には、全クラスが適性を有する武器(棒など)は含んでいません。

武器・防具 魔術 特性値

防具

精霊魔術

神聖魔術

精神魔術

筋力

知恵

信仰心

精神力

生命力

敏捷度

幸運度

魅力

ファイター

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バトラー

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フェンサー

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ランサー

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アーチャー

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ウォーロック

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クレリック

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ソーサラー

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エクスパート

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ウォーリアー

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パラディン

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ナイト

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セイント

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セイジ

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ビショップ

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ドルイド

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モンク

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ハーミット

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【凡例】◎…

特性値:とても伸びる。 その他:適性大いにあり。

○…

特性値:かなり伸びる。 その他:適性かなりあり。

△…

特性値:少しは伸びる。 その他:適性少しはあり。

-…

特性値:あまり伸びない。 その他:適性に乏しい。

属性

 PCを含めた全ての知的生物は、「属性」をもっています。

 属性とは、善の勢力に属するか、悪の勢力に属するか、それともそのどちらにも属さないかということを表すもので、その3種のそれぞれには、「善」「悪」「中立」という呼称があります。

 以下で、その3種の属性に関して解説します。

 世の中の秩序、すなわち平和を保とうとする勢力に与する者の属性です。

 その勢力は、神を中心とします。

 PCの属性はこれに限定されます。

 破壊を行い、世界を無に帰そうとする勢力に与する者の属性です。

 その勢力は、悪の神である魔神を中心とします。

 確固たる信念を持ち、非情にふるまう者が多いのが特徴です。

 PCの敵、とくにライバルの属性は、これがほとんどです。

中立

 善と悪との狭間を渡り歩く者の属性です。

 信念を持たず気まぐれで、裏切りを常とします。

 非常に危険な性質をもった者が多く、この属性の者はPCの不倶戴天の敵として登場することがあります。