ようやく寒さが緩んできて、春の到来を予感させるようになった矢先の大震災。あまりにも衝撃的な災害です。
被災された方々には、心からお見舞い申し上げます。
私も、かつての被災者の一人ではありますが、できるだけ震災については語らないようにしてきました。それは、心の古傷に触れられたくないからではなくて、被害者面をしているような印象をもたらすのではという心配からでした。
でも、今だけは少し書かせてください。
今はまだ災害の直後で、悲しみにくれながら、これ以上の被害を極力食い止める局面です。でも、近い将来には必ず、復興に向けて各自が動き出さなければならない局面へと切り替わります。
地域の生活基盤の復興に携わった身として、それが地獄のような苦労であることも、隠さずに申し上げます。各地の皆様から多大な支援をいただいてなお、長きにわたって体力と気力を削り尽くされるほどの苦労が続きましたので。
そんな時が近く来るからこそ、心を確かに持っていてください。できるだけ楽しいことにも目を向けて、精神の健全さを保ってください。そのために娯楽を求めることは、決して後ろめたいことではありません。一人一人の気力が、復興への力になるのですから。
それは決して被災者だけではなく、被災していない方にも当てはまることです。
ですが、大地震が起きてから今までに、ネット上でそうしたことを諫める意見を多数見てしまい、とても危険なことだと感じました。それが被災者自身からの意見だったとしても、他者に過度の自粛を求めることは復興へのブレーキになってしまうことを知らなければなりません。「不謹慎だ」といった言葉は、安易に使ってはならないのです。
私の経験した震災の時とは違い、今はネットがとても浸透しているので、一部の声の大きい人の意見が、さも絶対の真理であるかのように容易に拡散してしまいます。それでも、各自が本質を見失わないようにしなければなりません。
どうすることが、復興への一番の助けになるか。それを見失わないようにしなければなりません。
そうすればきっと、復興は少しでも早くなるはずですから。
2011年3月14日 23:05 カテゴリー:雑記