1) 世界観

 以下に、このゲームの世界全体についての総論を記します。

歴史

 このゲームの舞台となる世界は、我々が住む地球のはるか未来の姿という設定になっています。

 すなわち、歴史のもとをたどれぱビッグバンにたどり着くという認識や、銀河系・太陽系・地球の誕生、そして生命の誕生、ひいては文明の誕生といった歴史上の出来事も、我々と共有しているのです。

 そして、我々が生活している時代を迎え、高度に発達した文明は、後の時代でますます高まっていきます。

 ですが、突如として地球を襲った「大災害」によって生物のほとんどが死に至り、文明にも終止符が打たれます。降り注いだ、いくつもの想像を絶する大きさの隕石によって地形は変わり、どうしたわけか新種の生物(モンスターと総称されます)が現れて、生き残った数少ない生物の生態系まで変わってしまいました(神や魔神、妖精や精霊の期限は明らかにされていません)。

 そして、長い年月をかけて災害は沈静化し、生き残ったわずかな人類は新天地を求めて放浪の旅に出ます。そうして様々な紆余曲折を経た後に築かれたのが、このゲームの世界の国々なのです。

地理

 前述のとおり、このゲームの世界は地球です。

 しかし「大災害」を引き起こした隕石によって、地形は大きく変わってしまっています。陸地が海に没したり、新たな陸地が誕生するなど、今の地形の面影を残したところを探すのにも苦労するほどの変わりようです。

 「大災害」以降、隕石衝突時の熱エネルギーや溶岩の流出によって、大量の海水が蒸発して厚い雲となり、日の照らない寒冷多雨な気候が続きましたが、後に正常化して、この章で解説する時代においては、現在の気候に関する常識で説明で説明できるような気候に落ち着いています(低緯度の低地なら熱帯気候など)。

政治・文化・経済

 ほとんどの国では、中世ヨーロッパのものと同じ王政をしいています。なかでも専制君主制をとっている国が多いのが特徴です。

 文化水準も、「大災害」によって完全に文化が失われてから再興されて、ようやく中世の文化水準まで回復しています。ただし、生き残った人々の少なさや、それまでに各地で進んでいた文化交流によって、土着の文化はほとんど失われていて、世界のどの地域でも、様々な人種や(エルフ・ドワーフ・ミナンスロープといった)種族が入り交じって暮らしています。

 なお各国とも、文化水準をより高める余力は持っているのですが、例外なく二の足を踏んでいます。というのは、「『大災害』を引き起こしたのは高度に発達した文明である」という通説が、各国で信じられているためなのです。そのため、より進んだ(過去の)文明に関する資料は、わずかながら残っているのですが、それらは各国が禁忌として押さえています。この禁を犯して、過去の文明を復活させようとする者がいたら、そのものには重い罰が課せられるのが常となっています。

 経済については、自給自足にとどまらず、貨幣経済のもと、各国が自由に貿易を行っています。各国の社会の規模が小さくて、経済力も似通っていることもあって、早期に通貨の統一がなされ、現在は金貨「ゴールド」およびその補助貨幣が全世界で流通しています。

 貿易ルートは、陸路や海路が用いられています。

 各国間には転送門という、一瞬のうちに遠隔地に何かを送り込める魔法設備がありますが、これは要人の移動用で、貿易には使われません。

 貿易品は、輸送期間が長いため主として食料品以外が対象となっています。すなわち裏を返せば、食料品の大半(生鮮品)についてだけは、各国とも自給自足に頼らざるを得ないということになります。

暦

 この世界の暦は、光風暦(こうふうれき)と呼ばれます。

 この暦は全世界に共通です。

 この資料では光風暦469年の世界を扱っており、以後文中で「現在」という記述が出た場合、この年を差しているものとします。

 「大災害」の数十年後にフォルテンガイム連合王国が建国されましたが、この年が光風暦の紀元年となっています(同国は僅差ながら、現存する最古の国です)。

宗教

 現在の世界では、神が広く信仰されています。

 これは、「大災害」の後の建国に際し、神が降臨して人々に助力を施したという伝説があるためです。神は、フォルテンガイム連合王国をはじめとした国の再興に力を貸したのみならず、モンスターに対抗しうる「魔力」をすべての人々に授けています。

 人々に信仰されるこれらの神は「四大神(しだいしん)」と呼ばれ、世界の各所にある「四大神神殿」が、その神々を祀っています。

 四大神の頂点に座するのは、日の色に輝く翼を持った、「力」を司るオーゼス。

 第二位神は、たくましい肉体を持った、「命」を司るゼイバラル。

 第三位神は、常に優しい笑みをたたえる、「時」を司るセフィーア。

 そして第四位神は、明るさや深い愛を生けるものに注ぐ、「心」を司るキャロライン。

 幾多の天使を従える彼ら「四大神」は、建国以降も人々の前に降臨したという記録があり、大勢の人々の信仰は確固たるものとなっています。

 ただ、各国とも(たとえそれが「四大神神殿」と密接につながる宗教国家であっても)宗教の自由は認めているため、PCを含めた人々は、神を信じなかったり、他の神を信じることも自由です(神聖魔術を使う者だけは、「四大神」を信仰する必要があります。他の神を信じることでは、この魔術を授かることができません)。

 なお、「四大神」の対極に位置する存在に「魔神」があります。

 秩序や維持を司る「善」の「四大神」に対し、破壊や滅亡を司る「悪」の神として知られます。

 筆頭となるのは、オーゼスと同じく「力」を司る、「魔王」ダルシンド。

 以下、「存在」を司る「一の魔神将」オルバーン。

 「命」を司る「二の魔神将」エル・ディノルド。

 「時」を司る「三の魔神将」ティルミリア。

 「滅び」を司る「四の魔神将」ヘルナーズ。

 これら五柱の魔神が確認されています(「魔神将」達は「四魔将(よんましょう)」とも通称されます)。

 これらの魔神を信仰すると、一般に邪教徒とみなされますが、エル・ディノルドだけは他の魔神達から離反していて、人々に味方する存在として知られているため、例外とされています。

伝説

 このゲームの世界にも、いろいろな伝説が残っていますが、なかでも有名なのは、英雄の戦いに関するものです。

 いずれも、世界の大きな危機に戦いを挑んだ戦士達の物語として、現在に至るまで世界中の人々に勇気を与え続けています。

 そのなかでも最も有名なのが、「光の戦士」についての伝説です。

 国々が再興する前の荒れた時代に、一人の戦士がいました。

 神々がすべての人々に授けた魔力を最大限に解放し得たその戦士は、まぶしく光り輝く、竜顔の紋が入った武具を身にまとい、「光の戦士」と呼ばれました。

 彼のまとう光の力は奇跡と呼ぶにふさわしいもので、その光を浴びた人々は、たとえ死の淵からでも蘇り、その光を浴びた魔物達は、たちどころに形を崩し、土へと還った伝えられています。

 もちろん、彼の技量も信じがたいほどのもので、魔神をすら寄せ付けないほどのものだったということです。

 世界中を旅し、数知れないほどの人々を魔物から救い続けた彼は、その没後もずっと、史上最大の英雄として親しまれ続けています。

 そして現在も、彼の伝説を追う者や、彼の身につけていた「光の剣」「光の防具」の消息を追う者が多数存在します。

 そのほか、現在に至るまでに、「運命の戦士」の称号を持つ英雄達が世界を救い、生きながらにして伝説の数々をうち立ててきています。

 古来、戦士最高の称号である「運命の戦士」を持つ者はたびたび輩出されてきましたが、現在存命なのは世界中で20人強。そしてそのすべての戦士達は、抗しがたい世界の危機から人々を救っています。

 例えば、光風暦443年に、時のフォルテンガイム連合王国の王ヴィンセント4世が、仲間とともに「魔王」ダルシンドと戦い、これを封じています。また、光風暦465年には、フォルテンガイム連合王国の騎士団長バートラムが、多くの仲間とともに暴走する神と戦い、撃破しています。

 彼らの多くは、オーゼス神が作ったといわれる強力な「聖なる武具」を手に入れており、その力や勇ましい姿もまた、英雄的所業と同じく人々の憧れの的になっています。