7) 戦闘時用のルール(前)

 RPGにおいて重要な部分を占めるものの一つに、戦闘があります。

 戦闘は、キャラクターが成長するためになくてはならない要素で、これによって経験を積んでレベルを上げていきます。

 以下で戦闘を行うためのルールを解説します。

戦闘用パラメータ

 戦闘の時のみに使うパラメータには、基本命中率・回避率・攻撃力・防御力があります。

 以下、その4つのパラメータについて解説します。

基本命中率

LV×5+50

+(命中率修正)

+(あれば武器の命中率修正)

+5(ドワーフのみ)

+10(ミナンスロープのみ)

+(統率力)(%)

 攻撃の命中に関する能力で、これから目標の回避率を引いたものが命中率となります。

 基本命中率は能力しだいで無限に大きくなりますが、命中率は90%を超えることはありません。

 なお、統率力にはリーダーの値を使えます。

回避率

LV×5

+(命中率修正)

+(あれば防具の回避率修正の合計)

+5(ドワーフのみ)

+10(ミナンスロープのみ)

+(統率力)(%)

 攻撃の回避に関する能力で、前記のとおり相手の攻撃の命中率を下げる働きをします。

 統率力にはリーダーの値を使えます。

攻撃力

(武器の攻撃力)

+(攻撃力修正)

+(統率力)

 攻撃が命中した際にこの値を計算します(この値は、通常はダイスを振って求めます)。

 そして、求められた値から目標の防御力を引いたものが、目標に与えるダメージとなります。

 統率力にはリーダーの値を使えます。

防御力

(防具の防御力の合計)

+(あれば特殊能力「防御力」の値)

+(バトラーのみLVと同じ数)

+(統率力)

 敵の攻撃が命中した際に、ダメージを減らす働きがあります。

 攻撃力と違って、この値は定数です。

 他のパラメータと同様、統率力にはリーダーの値を使えます。

戦闘のチャート

 戦闘の手順を簡単に記したものが、下にあるチャートです。

 なお、図中の「ターン」は、戦闘を時間によって区切ったときの1単位のことです。

 現在が何ターン目かというように表すことによって、戦闘が始まってから経過した時間をみたり、呪文などの残りの効果時間をみたりするなどといった、様々な目的で使われます(何ターンかの間効果が続く、と決められている呪文などがあります)。

 図中の『1.』などの番号は、以下に続く解説の項目番号に対応しています。

戦闘の手順

戦闘用のルール解説

 ここでは、上で記したチャートに準じた戦闘用のルールを解説します。

 なお、以下の1.~9.の項目番号は、チャートの番号に対応しています。

1.マスターのエンカウンター宣言

 エンカウンターとは「遭遇」の意味で、戦う相手と出会うことです(もちろん戦わずに済むこともあります)。

 その「遭遇」を起こさせるのはマスターの役目です。

 エンカウンターには、次の2種類があります。

プラントモンスターとのエンカウンター

 プラントモンスターとは、常に存在場所が固定されている敵のことです。シナリオ上どうしてもくぐり抜けなければならない開門として配置します。

 この場合は、PCがプラントモンスターのいる所に行けば、無条件でエンカウンターとなりますが、それまではその敵とは遭遇しません。

ワンダリングモンスターとのエンカウンター

 ワンダリングモンスターとは、常に移動している敵のことです。

 必ず遭遇するという保証はありませんが、反面どこにいても遭遇する確率がありますので、スリルを増すための添え物として使います。

 ワンダリングモンスターとの遭遇は、確率を何パーセントかに定めて、一定の時間ごとに1D100でチェックします。ダイスの目が確率の数字以下ならエンカウンターとなります。

 PCが敵と遭遇したなら、マスターはそのことをプレイヤーに伝えて、それと前後して敵の種類を決めます。

 このとき、PCのレベルに合った敵にするようにしてください。

 例えば、「モンスター・データ表」「14)モンスター解説」参照)には、各モンスターの欄にそのモンスターのレベルを記してあります。この表にあるモンスターを使う場合は、PCの平均レベルに近いレベルのモンスターを出すようにしてください。

 そして、もう一つここですることに、敵の正体判別があります。方法は次のとおりです。

敵の正体判別

 パーティーのメンバーの1人が、(特殊能力の「敵判別」の数値)%を1D100でチェック。成功すると、全ての敵の正体が分かります。

 なお、ダイス目が10以下でも、自動的成功にはなりません。

2.アーチャーのみの不意討ち判定

 アーチャー(あるいはもとアーチャー)の特殊能力には「不意討ち」があります。

 ここでは、それらのキャラクターがその特殊能力を使おうとしたときに、それが成功したかどうかを判定します。

 判定の方法は次のとおりです。

アーチャーの不意討ち判定

 (特殊能力の「不意討ち」の数値)%を、不意討ちを行う側が1D100でチェック。成功で1ターン分の不意討ち攻撃ができます。

 ただし、ダイス目が10以下でも、自動的成功にはなりません。

 ただし、飛道具を装備していなければ、不意討ち攻撃はできません。

 また、このチェックはPCの側・敵の側の両方について行います(「不意討ち」の能力を持った者がいなければ行えませんが)。双方が成功すれば、不意計ちはなかったものとします。

 攻撃方法は、「行動決定・実行の内容」「d.攻撃」「h.ダメージ計算」を参照してください。

 ターンについては、不意討ちが行われた場合にのみ1ターンが経過します。そうでなければ、時間の経過はないものとします。

3.パーティー全体での不意討ち判定

 アーチャーのみの不意討ち判定(および、成功していればその攻撃)が終わった後に、これを行います。

 PC・敵の双方に不意討ちをしたいという意志がなければ、この判定を行う必要はありません。

 ですが、それ以外の場合には必ずPC側で判定してください。方法は次のとおりです。

パーティー全体での不意討ち判定

 1D100で10+(統率力)以下が出たらPC側の不意討ち攻撃となり、90以上が出たら敵側の不意討ち攻撃となります。

 ただしこの場合でも、不意討ちできる側にその意志がなければ、不意討ちは行われません。

 この不意討ちのターンには、「8.行動決定・実行」で可能な全ての行動をとることができます。

 また、ターンについては、「2.アーチャーのみの不意討ち判定」と同様、不意討ちが行われた場合にのみ1ターンが経過します。

4.相手の態度の決定

 PCの相手が友好的か敵対的か、それとも中立的かを決定します。

 この決定は、戦闘が起こるかどうかや、交渉がうまくいくかどうかに影響します。

 決定はマスターの自由です。常識的な判断で決めてください(例えば、不意討ちが起こっているようなときには、友好的とは考えにくいですね)。

 しかし、自分の考えだけでは決められない場合には、次の方法で決めてください。

態度の決定

 マスターが1D100を振って、出た目が30以下なら友好的、71以上なら敵対的。それ以外は中立的。

 ※数字は状況に即して変えていってください。

 なお、相手の態度の決定に要するゲーム内時間は0です。

5.交渉

 降伏や降伏勧告など、戦闘を回避するための行動をここでとることができます(もちろん必須ではありませんので、むしろこの手順を飛ばすことのほうが多いかもしれません)。

 ここはプレイヤーとマスターとが話し合いで事を進めていく場ですので、できるだけ皆様の判断だけで進めてください。

 ですが、どうしても以後のことを決定しかねる場合には、以下のような方法をとってください。

降伏

 相手がこちらの言語を理解できる場合は90%、理解できない場合は50%の確率で、降伏が受け入れられます。

 確率については、1D100で降伏しようとする側がチェックします。(以下のものも同様です)

降伏勧告

 相手が勧告する側の言語を理解できる場合は30+(交渉する者の交渉率修正)%、理解できない場合は(交渉する者の交渉率修正)%で、降伏勧告が受け入れられます(ダイス目が10以下でも、自動的成功にはなりません)。

 ただし、勧告する側が相手に対して圧倒的に優位であることが必要です(優位さの基準は、場合によって異なります)。

 また、プラントモンスターがからむと、この限りではなくなります(シナリオ上、降伏しないことが必要な場合などが該当します)。

和解を申し込む場合

 降伏勧告の場合と同じです。

 これらの交渉は、PC側からも敵側からも持ち出され得ます。

 そして交渉が成立した場合は「7.戦闘中止」に、決裂した場合は「6.逃走判定」に、それぞれ移ります。

 また、交渉が行われないときは無条件で「6.逃走判定」に移ります。

6.逃走判定

 PC側・敵側ともに、状況が不利になれば逃げ出す試みができます(これも必須ではありません。実際はこの手順を飛ばすことの方が多いかと思います)。

 ここでは誰かが逃げ出そうとしたときに、その行動が成功したかどうかを判定します。

 逃走には2通りあって、ひとつは集団全体での逃走、そしてもうひとつは1体のみでの逃走です。

 以下にそれらの判定方法を記します。

集団全体での逃走

 (最も敏捷度の低い者のA)×4+(統率力)%が成功率になります。

 逃走側の代表1人が、これを1D100でチェックします。

1体のみでの逃走

 (逃走する者のA)×4+(統率力)%が成功率になります。

 逃走する者が、これを1D100でチェックします。

 ここで付け足しますと、PCが逃走を行う場合はパーティー全体で逃げたほうがいいでしょう。

 逃げ遅れた者が出たら、そのキャラクターがひどい目に遭ってしまいますから。

 反面、敵を逃走させるのなら、プレイヤーの意気を消沈させないためにも、1体ずつ逃走させたほうがいいでしょう。(「これから戦うぞ」と盛り上がったところで敵が全部逃げてしまうと、場が白けますよね)

 また、ここでPC側・敵側のどちらか全員が戦場から姿を消してしまった場合は「7.戦闘中止」に、そうでなければ「8.行動決定・実行」に移ります。

 それ以外の場合は、無条件で「8.行動決定・実行」に移ります。

7.戦闘中止

 PC側・敵側の双方ともが全滅することなく、戦闘が終了したときのことを指します。

 戦闘中止に至るまでには2通りの経過があって、ここで行う処理もそのそれぞれで異なります。

 一方の経過は、PCか敵かのどちらかが逃走して戦場から消えてしまうことで、もう一方は交渉が成功して平和裡に戦闘が回避、あるいは中断されることです。

 以下に、それぞれの場合の処理方法を記します。

逃走によって戦闘が終了した場合

 PC側には、倒した敵の分だけの経験値が入ります。

 (経験値は敵の種類ごとに設定する必要があります。モンスター・データ表には記入済です。何人でその敵を倒しても、各者が得る経験値は設定した経験値と同じで、人数割りされることはありません)

例:経験値90の敵が3体、60の敵が5体いて、それを6人のPCが倒したとき、各PCには90×3+60×5=570の経験値が入ります。

 PCが逃げた場合は、戦利品はありません。

 敵が逃げた場合は、敵を全滅させた場合と同様に戦利品が手に入ります。(「9.戦闘終了・事後処理」を参照)

交渉によって戦闘が終了した場合

 PC側が降伏した場合は、PCには倒した敵の分だけの経験値が入り、PCの所持金は全て敵に奪われ、場合によっては所持品も奪われます。(この判斬はマスターに任されます)

 またこの場合、PCが身柄を拘束される等のケースが多々あります。

 PC側が降伏した場合以外のときは、基本的にPCが敵を全滅させた場合と同じ(「9.戦闘終了・事後処理」を参照)ですが、敵を尋問にかけるなどの行動をとれます。

8.行動決定・実行

 ここが戦闘のメインとなる部分で、攻撃や呪文の詠唱などの派手な行動はここで行います。

 詳細は次ページ「行動決定・実行の内容」で説明します。

9.戦闘終了・事後処理

 PC側が勝った場合、経験値と戦利品とが手に入ります。

 経験値については、「7.戦闘中止」の「逃走によって戦闘が終了した場合』と同じですので、そちらを参照してください。

 PC側が負けた場合は「7.戦闘中止」の「交渉によって戦闘が終了した場合」の、PC側が降伏した場合と同じ処理を行います。

 戦利品については、ワンダリングモンスター用のルールの例を次に記します。

 1D10をマスターが振り、1が出たら宝箱を、それ以外なら適量のお金を出します。

 また、宝箱には適当な罠や鍵(「8)平常時用のルール」参照)を付けても構いません。

 中身はお金かアイテム(あるいはその両方)で、お金の量やアイテムの質は、マスターの裁量で決めます。

 なお、プラントモンスターを倒したときの戦利品は、マスターが自由に決めてください。

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